卵管/卵巣癒着は不妊原因の20%に含まれる卵管障害

卵管/卵巣癒着は女性不妊の大きな原因の一つです。

卵管や卵巣が体内の器官や組織に癒着してしまうと、それぞれの生殖器官が正しい位置に存在できない状態になります。その結果排卵が起きたとしても卵管にうまくキャッチできないことが多く自然妊娠が難しい不妊原因なのです。癒着の原因は炎症や医療処置などがありますのでそれぞれに対し予防を行うことが癒着を防ぐポイントとなります。

卵管癒着

この記事では卵管癒着の「概要・原因・治療・予防」の総合知識をシェアさせて頂きます。


1.卵管癒着とは

卵管が子宮周辺に癒着したり、卵巣が腸に癒着するなど生殖器が体内にくっついてしまうことを言います。癒着してしまうと正しい排卵が難しいため、自然妊娠が難しく「不妊」になってしまいます。

卵子精子出会えない

癒着すると不妊になる理由

卵管癒着が起こると不妊、すなわち自然妊娠が難しくなってしまう理由は、正常な排卵が難しくなってしまうからです。生殖器官が癒着するということは、あるべき位置に生殖器官が無いことを意味するので、排卵されても卵管で卵子をキャッチできないなどの問題が生じます。


腹腔内癒着の種類

卵管癒着 卵管が子宮など周辺の生殖器、もしくは体内器官に癒着している状態のことです。卵管が正しい位置に存在しないため、排卵が起こっても卵子を受け取ることができません。
卵巣癒着 卵巣が腸などの周辺の体内器官に癒着している状態のことです。卵巣が正しい位置に存在しないため、排卵が正常に起こったとしても卵管に届けることができません。

2.卵管癒着の原因

卵管や卵巣が癒着してしまう大きな原因は2つ存在します。1つ目が細菌やウイルスなどの感染によって起こってしまう癒着で、2つ目が外科的処置を施したことによって起こってしまう癒着です。

ウイルス

細菌(ウイルス)感染の炎症

細菌(ウイルス)感染によって卵管癒着を患う方の多くが、クラミジア感染や腹膜炎による炎症が原因です。クラミジアに感染した場合初期症状は現れないことが多く自覚できない場合が多いです。症状の進行に伴い「腹痛・不整出血・おりもの」など体への不調が現れます。クラミジアによる卵管炎を起こすと多くの場合、卵管癒着や子宮内膜炎、子宮頸管炎なども誘発することが多いです。


炎症を起こす細菌(ウイルス)

卵管炎を起こす細菌は、ほとんどの場合生活習慣を通じて感染します。生活習慣の中では性交渉による感染しやすい物や衛生的に不足した環境で感染する物など多義に渡ります。

淋菌 弱い菌で感染者の粘膜から離れると数時間で死滅する。感染源として性交渉が多いと
言われている。
クラミジア クラミジアも弱い菌で患者の粘膜から離れると死滅します。クラミジアの感染源もほとんどが性交渉と言われています。
大腸菌 大腸内に生息する細菌で、便にも含まれています。排泄時に感染してしまうこともあります。
マイコ/ウレアプラズマ クラミジアとよく似た特徴を持つ細菌で、感染した症状も酷似しています。女性が感染した場合には卵管炎に至る場合があります。

外科的処置(治療後)による癒着

外科的な不妊治療や盲腸などの下腹部の切開を行った場合にも生殖器や体内器官での癒着を起こす可能性があります。そのメカニズムはメスで切開した組織や器官は術後から細胞の再生を行います。つまり組織や期間がへばりついたままで再生が行われてしまうと組織同士がくっつき癒着を起こしてしまうのです。


3.卵管癒着の治療

卵管や卵巣の癒着の治療には外科的処置を行うことが一般的な治療となります。ただ、癒着を遊離したとしても何度も癒着を再発してしまう人もいるので、体質にも問題が無いかを突き止め漢方による体質改善を行うこともおすすめです。

医療現場

病院で行われる卵管癒着の治療 

卵管や卵巣の癒着の治療には腹腔鏡手術を行うのが一般的です。腹腔鏡で癒着している組織や部位を観察しながら、鉗子やレーザーメス、電気メスを使い癒着している部分を遊離していきます。癒着の状態にもよりますが、基本的には体内で卵管や卵巣が自由に可動できるようになるまで外科的処置による癒着の遊離を行います。


漢方による卵管癒着の治療

漢方処方によって起こってしまった癒着を改善することはできません。しかし、生まれ持って卵管の位置が近い方や癒着の再発を防止するために、体質を改善することは可能です。本来、正常なコンディションであれば癒着や閉塞は起きにくいと漢方(東洋医学)では考えられており、卵管因子を患う多くの方は、コンディションが良く無いのもまた事実として存在します。この場合、漢方が成せる技として血液循環の改善やホルモンバランスの改善などでコンディションを整え妊活に適した環境を整えることです。


4.卵管癒着の予防

卵管癒着はウイルス感染や外科的処置後に起こりやすいので、それぞれの環境下で癒着を起こさない工夫が重要です。細菌感染であれば感染原因になる行為は避けつつ感染に負けない抵抗力を手に入れたり、手術による癒着を避けるには癒着に気を配ってくれる病院で治療を行うべきです。

生薬

細菌やウイルス感染を避ける 

卵管癒着の原因となる炎症はクラミジアなどの細菌による感染によって起こります。クラミジアのような細菌の感染原因の多くが性交渉によるものや、清潔性に欠ける環境下での感染となります。癒着の原因となる感染性の炎症を防ぐには、検査などで安全性を確かめた上で性交渉を行うことと、日々の生活環境の清潔性に気を配ることが最善の予防策となります。


抵抗力(免疫力)を高める

性交渉の安全性や清潔性にいくら気を付けても感染を防げない場合もあります。極論自分の体は自分で守る必要があるため、妊活中の方は、ご自身の体のためにも、今後産まれてくる赤ちゃんのためにも免疫力を高め抵抗力を養うことで細菌に感染しにくい体質を得ることができます。この場合、内からの抵抗力を高めるため漢方による自然治癒力の底上げが安全で健全なのでおすすめです。


外科的処置による癒着を避ける

病院によっては術後の癒着を懸念し対策を施している場合があります。例えば癒着しそうな器官や組織に自然のものでできていて後に体に吸収される「癒着防止シート」で保護を施してくれる病院もあるので、安全性の高い病院で治療を受けることをおすすめします。